今回で手塚さんへのインタビューは最終回です。最後に、健康全般への意見などをお聞きしたいと思います。
やっぱり食事は重要
スタッフ(以下:S):
すごく雑な質問になってしまうのですが、健康を保つために気を付けた方が良い事など、何かあれば教えてください。
手塚さん:
難しいですね(笑)。まあ僕があまりやっていないので人に言える事ではないのですが、運動はやった方が良いと思います。先ほどの肩こり・腰痛でもそうですが、自分で体を動かす事は大事だと思います。あとは、やっぱり食事ですよね。食べ物が気血を作って体を巡るっていうのが東洋医学の考えなので、僕も食事はなるべく気を付けています。
S:やっぱり基本は食事ですよね。食べ物ってそれぞれ5つの性質を持っていると言われているじゃないですか、熱・温・平・涼・寒と。現代の方に足りてないものは何かとか、ご意見ありますか?
手塚さん:
そうですね、基本的には体を温める食材や冷やす食材っていうのは、人それぞれの体調に合わすというのが原則ですが、オフィスワークの話でも出た通り、現代は冷えている人が多いのは確かなので、体を温める食材を食べるのは良いかもしれません。
しかし、健康食品やサプリ業界にあるようなブームのような食材の食べ方は良くないですよね、例えば、体を温めるからとショウガばかり毎日食べるとか。ショウガに限っていうと、比較的刺激が強い食材なので、多く食べたりすると胃腸を弱めてしまったりする場合もありますし注意が必要です。体が弱っている場合は、なるべく刺激の少ない食べ物をバランス良く食べるのが良いと思います。
S:確かに、食品におけるブームのような現象はある意味怖いですよね。完全にバランスが崩れてしまいますし。でも広告やテレビなどで取り上げられると結局ブームになってしまいますよね。
手塚さん:
そうですね、どんなに良い食材と言われていても、偏った食べ方に良い事は無いですからね。あとは、サプリのようにエキスを抽出したものを食べるのではなく、自然のままの食材を食べるようにしています。
S:自然の物を、自然のまま頂く。これって大事ですよね。
手塚さん:
本当にそう思います。僕も食事に気を付けるようになってからは、刺激が強かったり、自然らしさが損なわれた食事を採ると、その後体調が悪かったりする事もあります。
そうそう、以前に田舎暮らしツアーみたいなのがあって参加した事があるんですよ。1泊2日のツアーで、夜は地元の食材を使った田舎料理を食べて、朝は農家さんの鶏の採れたて卵とか、無農薬の野菜を使った漬け物、お米、味噌汁とかを食べたのですが、もう、その食事がどれもめちゃくちゃ美味しくて。それで2日目の夕方に東京に帰ったのですが、ちょうどその日の夕食に仕事のお付き合いで高級和食料亭に連れてってもらったのですが、前日食べた田舎料理と比べたら、全然美味しくなくて(笑)。
S:ちょっと悲しい話ですね(笑)。高級料亭なのに。
手塚さん:
いや、本当にビックリしました。こうも違うものなのかと。
カフェイン摂取もバランスが大事
S:話変わりますけど、先生って、よくコーヒー飲みます?
手塚さん:
すっごい好きです。毎日飲んでますよ、豆から挽いて。
S:最近、アメリカなどでもコーヒーを飲みすぎ、カフェインを取り過ぎ、みたいな意見を聞く事が多くありますが、どうお考えですか?
手塚さん:
うーん、意見が分かれるし、難しい問題ですよね。カフェインがガン予防に有効という話も聞きますし。ただ、コーヒー好きの人って、童顔の人が多いような気がしていて、あ、僕個人の意見ですよ。なので、若さを保ったり、そういうのに影響しているのかなって。もちろんカフェインは利尿作用だったり体を冷やす性質があるので、取り過ぎは良くないと思いますが。胃腸にも少し刺激があると思いますし。
S:妊婦さんのコーヒー摂取はどうお考えですか?
手塚さん:
これも難しいですね。もちろん飲み過ぎは良くないですが、たまに1杯飲んだりとかは大丈夫だと書いてある本もあります。逆に神経質になりすぎてストレスを抱える方が良くないかも。ただ、刺激が強い事に変わりはないですし、先ほど言った通り、利尿作用があったりする事は確かなので、飲むのを控えれるのであれば控えた方が良いと思います。またはカフェインレスのコーヒーを飲むとか。
S:なるほど。ハーブティーとか薬膳茶とかは飲まれますか?
手塚さん:
そうですね、飲みますよ。この治療院でも、カモミールを中心としたブレンドティーを出しています。家でもセージを育てているので、アロマとして焚いたりしています。やっぱり、落ち着いたり精神的にも肉体的にも色々と効果は感じていますよ。僕はコーヒー大好きですが、バランスという意味では、色々なハーブティーや薬膳茶を飲むというのも良いと思います。
S:食べ物でも飲み物でもバランスが大事なんですね。
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デジタル機器から離れる時間を作る
S:最後に、現代社会において健康の分野で気になる事やご意見などはありますか?
手塚さん:
そうですね、範囲が広いな~(笑)
あ、でも、僕は前職がコンピュータ関係だったので、ITの重要さやパソコンやコンピュータの便利さは理解していますし、社会にとってなくてはならないものだという事もわかっているのですが、それにしても今はデジタル機器に依存しすぎかなと思います。
電車の中でもほとんどの人がスマートフォンを見ているし、プライベートな時間までもパソコンの画面やスマートフォンの画面を見る時間が多くを占めているので、それは心配ですね。基本的に液晶画面は非常に光が強く、目にも負担がかかるので、常に目が疲れている状態になって、その疲れから肩こりを引き起こしたり、集中力が無くなったりと、悪い方向に行ってしまいます。SNSでのストレスもありますし、心を落ち着かせる時間を自分がスマートフォンの画面を見る事で、自分自身でその時間を奪っているという状況は本当に心配です。
S:そうですね、本当にそう思いますね。
手塚さん:
最初は少しでも良いので、使わない時間を決めるとか、デジタル機器から距離を置く時間を作る事は非常に大事だと思います。それが出来れば、現代の多くの人のストレスが少しは減ると思いますし、結果的に健康な体になり、健康な生活を送れるのだと思います。
以前、不妊治療で来られた方がいて、まず最初に生活スタイルを問診で聞いたのですが、夜は寝る前までずっとスマートフォンを見て、そのまま寝てしまう、そんな生活をされている人がいて、お伝えしたのは「まずその生活スタイルからやめましょう」と。
S:「日々の生活スタイルを見直してみる」こんな単純な事が一番簡単でお金もかからない健康法なのかもしれませんね。それが案外難しいのかもしれませんが。手塚さん、今回は本当にありがとうございました!
次回は、別の専門家へのインタビュー記事です。
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